prologue
少年少女は得てして恋に落ちるものだと世間の文芸作品は謳いがちだが、私はそんなものに興味はない。夢みる少女が羨むような甘いあまいお砂糖のような恋なんて。そんなもの、自分は味わうことすらないだろう。
可愛げなんてなければ、愛想も良くない。毒にもなれば治す力にもなる薬を作って、近寄りがたいと遠巻きに見られているくらいがちょうど良い。相応の報酬がぽすりと手元に収まりさえすれば、それで。
ティータイムに口にする角砂糖をひとつ、ぽちゃりと沈めたアールグレイの紅茶分の甘さでいいの。時々、フルーツをふんだんに盛り付けたタルトがあればいいかしら。なんて。
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hitsujitohana